審美・セラミックによる治療 Esthetic
天然歯に調和する審美的な補綴物
虫歯治療では、削ったところの噛み合わせを補うために詰め物や被せ物をセットします。保険診療の場合、主に銀歯を使用しますが、金属特有のぎらつきがあるため目立ってしまいます。そのため、「いま銀歯を使っているけれど取り替えたい」というご相談もございます。口元が気になると会話の楽しさが失われ、表情も暗くなってしまうことがあります。
こうしたコンプレックスを解消できるのが、白く美しいセラミックによる詰め物・被せ物です。セラミックは透明感があり、歯列に加わっても自然で目立ちません。また、患者さまの歯の色調に合わせて調整できるので、より違和感を軽減できます。生体親和性が高く金属アレルギーの心配もないため、体にやさしい素材でもあります。
セラミック治療の特長
セラミックは審美性を回復して口元に自信をもたらすとともに、体にやさしいさまざまな特長があります。
天然歯の色調を細やかに再現
自然な歯に見せるため、患者さまの歯の色に色調を合わせます。シェードガイドという色の見本を見ながら選択しますが、より自然な色合いに見せるためにグラーデションを意識します。実際の歯は先端と歯根では色の濃さが異なるので、こうした細かな点も再現します。
美しいまま長く使える
銀歯は金属に見られるギラつきがありますが、陶器と同じ材質であるセラミックは透明感があり天然歯のような白さを再現できます。治療後は口元が気にならなくなり、自信をもって人前に出ることができます。また、着色の心配が少なく耐久性が高いので、きれいなまま10年近く使用できるケースもあります。
金属アレルギーが起きる心配がない
金属製の詰め物・被せ物は、すべての素材ではありませんが金属アレルギーを発症するリスクが残ります。金属がお口の中で溶け出すと体内に吸収され、アレルギー症状が現れる場合があります。セラミックは非金属製で、お口の中に成分が溶け出すことはありません。生体親和性にも優れているので安心してお使いいただけます。
銀歯は健康面でもデメリットがあります
保険診療である銀歯は費用を抑えられますが、金属のためギラつきがあって目立ちます。現在銀歯が入っている方の中にも、審美性を改善したいというお悩みがあるかと思います。また、銀歯は劣化しやすく、周囲の組織との間にすき間ができてしまいます。そのため虫歯が再発しやすく、再治療が必要になります。また、金属が溶け出すことで歯肉が黒ずむ、金属アレルギーを引き起こすリスクがある、といったデメリットもあります。
さまざまな種類からお選びいただけます
詰め物
ジルコニアインレー
ジルコニアは白い素材ですが、強度がとても高いという性質があります。別名「人工ダイヤモンド」とよばれるほどで、奥歯のインレーとして使用しても壊れる心配がありません。また、セラミックの一種でもあるので、透明感のある白さを再現できます。奥歯に銀歯を使うよりも、ずっと自然な見た目になります。
e.maxインレー
ニケイ酸リチウムガラスを主成分としたもので、通常のセラミックよりも強度が高いうえに透明感も高いインレーとなります。天然歯のように美しく仕上がり、前歯のように目立つところにも適用できます。さらに、しなやかさもあるのでしっかり接着できます。噛み合う歯が痛むこともあまりありません。
ゴールドインレー
金属ながら硬さが歯に近いという性質をもつ金合金で作られたインレーです。患部に適合しやすく隙間ができないので、虫歯が再発しにくくなります。また、金はアレルギーを起こしにくいとされています。
色合いは金色になるので目立ちますが劣化しにくく、長くご使用いただけます。
被せ物
ジルコニアセラミック
内側は強度が高いジルコニアを加工し、外側をセラミックで覆った被せ物です。ジルコニアを土台にすることで噛む力にも耐えられ、破損しにくくなります。ある程度の透明感を保てるので見た目も良く、噛む機会が多く目立ちやすい前歯の被せ物に向いています。金属アレルギーの方もお使いいただけます。
フルジルコニア
ジルコニアは白い素材でありながら「人工ダイヤモンド」という異名をもつほど硬い被せ物です。フルジルコニアは、表面にセラミックをあしらった「ジルコニアセラミック」に比べると透明感で劣りますが、ある程度自然な白さを保てます。
ジルコニアはとても強度が高く、噛むときの負荷が強い奥歯にも適用できます。噛み合うことで破損することはほとんどありません。また、非金属製なので安心してお使いいただけます。
メタルボンド
内側は金属、外側は白いセラミックという組み合わせの被せ物です。純粋なセラミックに比べると透明感では劣るもののある程度の白さを確保でき、審美性を損ないません。内側を金属にすることで強度が補強され、負担がかかる歯にも適用できます。ただし、金属部分が経年により溶け出すと歯肉が黒ずむ可能性があります。また、金属アレルギーをおもちの方には適用できないことがあります。
・審美治療としてセラミック治療を行なう場合、自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・事前に根管治療(神経の処置)やコア(土台)の処置が必要となることがあります。
・治療では歯を削ることがあります。また、知覚過敏を発症することがあります。
・抜髄(神経の処置)や抜歯が必要になることがあります。
・抜歯や外科処置をともなう場合、出血や腫脹(しゅちょう)を生じることがあります。
・治療で歯肉を移植する場合、二次的な出血・疼痛・腫脹(しゅちょう)が見られることがあります。
・治療後、自発痛、咬合痛、冷温水痛を生じることがあります。
・歯ぎしり・食いしばりなどの癖や噛み合わせによっては、補綴物が破損することがあります。
・セラミック製の補綴物は、金属製の補綴物よりも歯を削る量が多くなることがあります。
・噛み合わせ・歯ぎしりの強い方は、セラミックの破損を防止するため、マウスピースをおすすめすることがあります。